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和式寝具のメリットと布団の準備

初めて一人暮らしをする方、転勤で単身赴任する方、入学のために親元を離れて一人暮らしする方、ご結婚なさり晴れてお二人で新生活の準備をなさっている方、さまざまな事情で寝具を揃える方はいらっしゃいますが、必ず必要になる寝具。
布団にするかベッドにするか、悩んでいませんか?寝具を選ぶことは生活スタイルをデザインする事にもなりますので、慎重に選びたいもの。
和式寝具に必要なものと機能を改めて整理してみました。

Contents

布団のメリット

和式寝具(以下 布団)に使われる寝具など今更だとは思いますがチックリストのつもりでご覧いただき、その機能を見直してみましょう。

布団は日本の気候や環境と歴史の中から最適な睡眠環境を追い求めて進化してきました。布団は持ち運びができることが最大の利点で、

移動できるメリット部屋を有効に使える
設置場所の掃除が可能
天日干しができるので衛生的
(羽毛布団は直射日光には当てない)

さらに、就寝位置が低いことで

低い位置のメリット就寝中の落下の心配がない
ベットに比べて購入費用が安い上に処分も楽である

など、様々なメリットがあります。

逆にデメリットは、

布団のデメリット収納場所を確保する必要がある
常時布団を敷いたままにすると湿気によるカビの発生
就寝中のハウスダストなどの吸引の心配がある

布団は畳の上に敷くことを念頭に考えられていますので、畳の弾力性・断熱性・抗菌性・吸湿放湿性を寝具環境の一部として利用しています。この畳の上に敷かれるという前提が近年の洋風化建築の戸建て住宅や気密性の高いマンション・アパートの住宅が多くなってきたこと、さらにコンパクトなフローリングの個室が空気の循環を阻害する傾向にあることは布団による就寝環境に不利な条件が多くなるという変化を生じています。家屋様式の近代化により家屋自体の密閉性が上がり、これにより放湿が低くなり、敷き布団の下が湿気を多くため込む結果になります。フローリングの部屋でお使いの場合は、必ず湿気対策が必要です。さらに、ハウスダストアレルギーをお持ちの方、もう少しハウスダストを少なくしたいと思われる方は空気清浄機などをご利用なさることをオススメします。

 

布団で寝ることは、部屋の面積を有効に使いたい方、小さなお子様と一緒に寝る方、寝具を衛生的に管理したい方には布団の可搬性や価格的にリーズナブルな点はベッドよりも魅力があります。日常生活のオンオフをはっきりと切り替えたい人は布団がいいという声も聴きます。また、和式・洋式寝具の良いとこだけ利用するという方法もあります。

生活スタイルや住環境によって自由な選択をし、衛生的で健康的な就寝環境による安らぎの空間で体と精神を休息させましょう。

和式寝具の構成とチェックポイント

和式寝具はその様式上、高温多湿対策を重視した、構造になっています。畳の上に敷く敷布団は日本の生活環境に適合したものです。元来、日本では家屋内には極力、土ぼこりを持ち込まない家の構造や生活様式があり、室内も靴で生活をするという環境の国々の室内環境に比べると、外から持ち込まれる重い空気層に滞留するウイルスや雑菌は少ないと言われています。また、室内の空気中に浮遊するハウスダストのような軽い浮遊物も水分を含んだ空気と呼吸する床材である畳に吸着し減少します。
【参考】全日本畳事業協同組合《http://www.tatami.or.jp/tatami-kinou.html》

布団の構成は湿気対策がキーポイントになります。湿気=湿度をどのようにコントロールするかによって快適さや衛生さらには寝具自体の耐久寿命の度合いも違ってきます。
掛布団と枕はベッドを使用する場合の物と共通で用いられるので豊富な商品の中から選ぶことができます。

布団に必要な寝具

1.敷布団(上・下)
2.敷布(=シーツ)
3.枕
4.枕カバー
5.掛布団
6.掛布団カバー

敷布団(上・下)

敷き布団は二枚敷きが主流です。 下敷き布団は主にふとんを敷く床の硬さや床からの底着き感の緩和と床面との間の湿気対策です。 上敷布団の機能を併せ持たせて、敷き布団を一枚のみにする考え方もありますが、寝姿勢の維持にはある程度の厚みが必要になり、これにより重くなるのが必然で可搬性が失われてしまいます。下敷布団は 通常はカバーなどをかけずに使用します。湿気の多い部屋でお使いになる場合、下敷きふとんと床面との接する面の湿気対策が必要です。

上敷布団は主に寝姿勢の維持と寝返りのしやすさに加え、寝床内環境の保全の役割があります。そのため全体的に硬めの質感の製品を選ぶ方が多いようです。同じ敷布団を上下二枚でローテーションをしてお使いになると耐久性の向上や交互に日干しすることにより衛生的にお使いになります。二枚同じものを選ぶ方には中綿が羊毛や木綿を使用しているものの人気が高いようです。

また、寝姿勢の維持のため、上敷布団をウレタン製の低反発・高反発マットレスや中綿が多層構造のものなどお好みの寝心地に併せてお選びになる場合は、持ち運べる重さのものを選ぶ必要があります。ポリエチレン樹脂や固綿が芯になっているタイプの敷布団が人気があり、盛んに宣伝もされています。

最近では「極厚」敷布団と呼称される、一枚の敷布団で従来の上下敷布団の機能を合わせもったものも販売されています。中素材の中間に固綿を使用して厚みや体圧分散効果を実現しているものもありますが、中素材を増量して厚みを出しているものもあるようです。

敷布団 人気のある中素材の種類

ポリエステル
長所
軽量であること、丸洗いができるもの防ダニ加工・抗菌加工などのさまざまな加工を施されているものがあります。
短所
繊維自体は湿気をまったく吸いません。柔らかいが体圧分散や姿勢の支持には弱いものがある。

木綿(コットン)
長所
吸湿性や保温性に優れています。こまめに日干しをすれば復元力も高く、衛生的です。また、「打ち直し」することにより比較的長く使うことができます。
短所
こまめに日干しをする必要があるります。通常の使用でも徐々に繊維の目が詰まってふんわり感がなくなります。ダニの温床になりやすい。

羊毛(ウール)
長所
保温性が高く、暖かい素材です。さらに吸湿性に優れ、蒸れることが少なく、発散する機能(放湿性)もあるので、温湿度を上手く調整してくれる素材です。
短所
購入当初は独特な臭いがするので嫌厭する方もいますが通常は使っているうちに臭いは抜けてきます。また、薄いものが多く、羊毛の繊維がウロコ状のため、繊維が絡み合ってヘタリやすい。

ウレタン系低反発
長所
包み込むようなフィット感で体圧分散性に優れています。敷布団として使う場合は厚さが5cm~7cmの薄めのものが良いでしょう。トッパ―やオーバーレイとしての使い方がおすすめです。
短所
中素材としては重量がありますのでご注意ください。また、通気性や吸湿性がありませんので湿気対策が必要です。

ウレタン系高反発
長所
低反発に比べ、少し沈んだ後に押し上げる感じで身体を支え、沈み過ぎないことで寝返り助けてくれる素材です。腰痛をお持ちの方に人気ですが全部の症状に効果があるわけではないと思います。
短所
やはり素材自体に通気性や吸湿性はありませんが、通気のための穴や素材自体に通気孔を設定するなど工夫はされています。保温性や保湿性が高くないものもあります。

いずれにしても、特にマンションやアパートなどの気密性の高いお部屋や空気の流動性が少ないお部屋では湿気に十分注意をし、必要に応じて吸湿のためにパッドやスノコ状のものを敷いて使用するといった対策が就寝の満足度や休息感を上げます。

敷布(=シーツ)

和装寝具では敷布、いわゆるシーツとも呼ばれます。汗や皮脂による汚れから上敷きふとんを守るためもの。複数枚用意してこまめに取り換えるようにしましょう。 通常は裁断部分が処理された一枚の布ですが外れるのを防ぐため、敷布団を包んでしまうタイプのシーツもあります。冬には温感シーツ・夏は涼感シーツが販売され、マーケットは、より快適な寝心地を追求する為の進歩は止まりません。これに加えて、ベッドの様にシーツの下に敷きふとんパッドを常用する流れがあります。衛生のためのパッドや寝姿勢改善のためのトッパ―やオーバーレイなどを敷布団でもご利用になっている方もいらっしゃいます。直接肌に接するものでもあり、清潔さと快適さを考えて選びます。

寝姿勢の頭部の維持が主目的です。まくらも和式・洋式のスタイルに関わらず選択できます。枕は寝具の中では大きさは小さいのですがその果たす役割は非常に大きいものです。寝返りのしやすいことを念頭に選択することが必要です。形状を重視しすることと、硬すぎたり柔らかすぎたりしないことです。寝返りがしにくい枕を使用することにより、首すじを傷める・肩こりの原因になる・寝床内環境が改善されない、など多くの不快な要因となる可能性があるからです。
枕を肩口を当て、首すじ(頸椎)を立っている時と同じ状態の湾曲を維持できるものが良いようです。また、横向き寝の状態になることも考えて、まくらの端側が高くなっている形状のものに人気があります。清潔性や、重い頭を支えるので耐用年数が短いことを考えると、高価な枕よりも交換しやすい比較的安価なものを選ぶ方が良いでしょう。

枕カバー

頭部からの汗と皮脂や髪についた汚れから枕を守るために必要です。頻繁に洗い替えできるように安価なものを複数枚用意しましょう。特殊な形状の枕であれば枕と一緒に購入することになりますが、通常の長方形のものであればサイズに注意をして汎用製品を選ぶことができます。
枕カバーは案外寝心地を左右するものです。ガサガサ音が出るものでは気になって眠れなくなることもあります。コットンやシルクなどの肌触りがよいもの、気温が高くなる時は熱放出性の高いリネン(=亜麻:あま)や吸湿性の高いガーゼ素材やコットン素材のものを用意しておくと快適です。また、蒸し暑い夏には最近は涼感素材の枕カバーや枕カバーの上に涼感パッドを使う方も多いようです。

掛布団

寝床内環境の維持、保温性・吸湿性・透湿性・放湿性さらに軽さとドレープ性(寝返りをしたときなどの寝床内環境の遮蔽性)と様々な要求を満たさなければなりません。古くは重い布団が好まれた時期もありますが、掛布団が重いと寝返りがしにくいことや身体へのフィット感が良くないこと、ドレープ性が悪くなることにより、軽いことが重要条件になっています。掛け布団は圧倒的に羽毛布団と羊毛布団の人気が高いのですが従来の木綿布団・化繊布団も使用条件によっては羽毛や羊毛よりもすぐれている部分がありますので、慎重に選ばないとがっかりする結果になります。

掛け布団 人気のある中素材の種類

羽毛
羽毛布団はダウンの品質と量で価値が決まります。ダウン以外は通常フェザー(羽根)が使用され、ダウンの含有量が多いほど機能性が高くなり、高価になります。ダウンにもダック(アヒル)とグース(ダチョウ)の種別があり、グースダウンの多いものが品質が高いです。羽毛独特の臭いがあります。また、羽毛を包む側生地にも品質があります。生地の素材とキルト(縫い方)によっても品質や機能が変わりますので、購入時には確認した方が良いでしょう。

羊毛
掛布団では羊毛も人気があります。羊毛は保温性や湿気の吸放湿性が優れているためサラッとした寝心地が好まれます。また、ほかの素材と比べると耐用年数が長く、専門業者によるクリーニングが行えるのがその人気の中心です。しかし、かさ高にすると重くなってしまうこと、繊維が縮れと表面のうろこ状のため、絡まって身体に沿いにくい(ドレープ性が悪い)性質があるため、一般的にはどちらかというと敷布団に適していると考えられます。ご購入の際は「ウールマーク」や「GFマーク」などを品質の確認をしましょう。

木綿(コットン)
現在では掛け布団としての人気は羽毛掛布団に偏っていますが、一般的で安心できる中素材でもあります。保湿性や吸湿性に優れ、日干しなどによる回復力もある、お値段も高すぎないものがたくさんあるという万能選手です。日干しを怠らず、3年程度で打ち直しをすればリーズナブルで長持ちします。再利用も可能で環境サイクルにもフィットした素材です。

化繊・合繊
原料のコストと大量生産ができることから安価な素材です。軽量であることやダニやアレルギー対策商品が多いことも魅力の一つです。天然素材のものに比べ繊維が太く切れにくいので埃を出しにくいことや復元力が高く耐久力があること、一般的に週1~2回程度の日干しや自宅での洗濯に対応しているものもあるなどメンテナンスも楽です。逆に天然素材のものよりも保温性が低めであること、吸湿性と放湿性が低いことが欠点です。

真綿(絹)
蚕の糸を紡ぐ絹糸とは違い、蚕の繭を引き伸ばしたものです。真綿は保温性や吸湿性・放湿性に優れていることや軽くて肌触りの良ささらに最近では含有するアミノ酸が皮膚細胞に良いことなどを含めて一年中使えます。しかし、非常に高価であること品質の良いものは希少であることさらに、メンテナンスが難しいのが弱点です。ぜひ専門店でのご購入をおすすめします。

掛布団カバー

掛け布団カバーはまずサイズの確認が大前提です。寝具でカバーと名の付くものはどれもサイズが重要ですが、特に掛け布団カバーはサイズ違いで失敗したという声が多いからです。掛け布団カバーは大きさがフィットしたものでないと、用途がなく衛生面から返品することも難しいでしょう。掛け布団カバーは汗や皮脂による汚濁からの掛布団の保持が目的です。これも常に清潔であることが重要ですので、高価なものよりも安価で複数枚ご用意になる方が良いでしょう。

 

 

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