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麻の寝具を選ぶ これだけの理由!

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「夏の寝具は麻素材がいい」と言われます。通気性がいいのは解りますが、あまりに漠然としていて、寝具の「柔らかいく、滑らか」という理想的な肌触りとは少し違い、「ガサガサで表面が硬くシワになりやすい」というイメージがあります。
夏になると思い出す「麻」という素材。寝具として優れているところ調べてみました。

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古代から信用されてきた天然素材である

天然素材であればその安全性は原素材100%で作られた製品であればその効用や危険性は認知されてると考えてもよいでしょう。
麻は歴史上古代から使われている素材に衣服や寝具の素材としてとして知られています。特にリネン(亜麻)は、人類最古の素材と言われています。
「麻」は多くの種類が存在していますが、衣類や寝具に使用される「麻」はリネン(亜麻)・ラミー(苧麻・カラムシ)・ヘンプ(大麻)です。これらは古代から衣服や寝具などに使用されてきました。
とくにヨーロッパ地方では「リネン」と呼ばれる「亜麻」が、日本では特に「苧麻」と呼ばれる「ラミー」が衣料用として重用され長い歴史を持っています。

「リネン」はシーツやタオル・枕カバー・テーブルクロスなどをリネンが使われて「いる」・「いない」にもかかわらず「リネン」と呼びホテルや病院などで、それらを保管する場所を「リネン室」と呼ぶことがあるなど、国内でもなじみの深い麻は衛生性や安全性の代名詞ともなっています。また、特に麻素材と聞くと「夏」を連想するほどに、素材としては定着しています。

天然の接触冷感素材である

この「麻」=「夏の繊維」というイメージはどこから来るのでしょうか。
実際に麻は綿に比べても触るとひんやりとする素材です。これは昨今、夏の寝具素材の冷感の比較に使われる「接触冷感素材」の一面も持っているのです。「麻」は天然素材でありながら、Q-MAX値が0.3~0.4に匹敵する冷感素材とも言われ、最新の化学繊維やジェル系の寝具には劣るものの天然素材としては極めて高い熱伝導率を示したという結果もあります。
つまり、「麻」は触れたときに体温が素材に伝わって拡散し、冷たく感じる、実際は「少しひんやり」と感じるのは事実なのです。

吸水・発散性のある素材である

さらに、繊維の構造が中空孔構造で繊維の中心部が空洞であり、この構造のため繊維表面から空間部分に吸水・吸湿を行い、水分を一定以下にするために発散するとしぼむというサイクルを繰り返します。この優れたサイクルが水分の蒸発時に気化熱を奪うので涼しくなるのです。まさにシーツやタオルに理想的な機能を持った構造体と言えます。これにより綿などの繊維よりも乾くのが早く、汗が付着しても早く乾くのでべとつき難く、サラッとした触感が続きます。

耐久性がある

綿の2倍程度の強度があり、さらに、麻は水に濡れると強くなります。「麻」は耐久性が高く、特に水分を含むと強力(引っ張る力)に強くなります。これにより、綿のように洗うたびに繊維が細くなる素材と違い、水洗いにも強く、夏場の使用と洗濯の繰り返しでもその強さは実証されるでしょう。
洗濯機で長い時間回したり、長い時間脱水を掛けることは避けてください。生地が縮んだリ、シワが多くなったり取れ難くなります。水分が滴り落ちるぐらいできちっと手で伸ばして干せば水分の重みでシワも和らぎ、速やかに乾きます。

抗菌性がある

汚れを落としやすく、抗菌性が強いのも麻の特徴です。天然素材として高いレベルの抗菌性と制菌性を持っています。
ホテルや病院などで、シーツ・バスタオル・バスローブ・テーブルクロス・ナプキンなどの衛生的に管理する製品を麻で統一しそれらを収納するリネンルームという名称は、この麻の雑菌の繁殖を抑制する性質によるものです。
日本の夏のように湿度が高く、汗が多く出るような季節でも雑菌の繁殖を抑える性質により、においも抑えてくれる効果も期待できます。

日本で寝具として使われるのはリネンとラミーです。

リネンとラミーが寝具には使われます。熱伝導率・吸水性・耐久性・抗菌性の性能はラミーの方がリネンに勝ります。しかし、ラミーの繊維は毛羽立ちやすいので全体的にざらっとしていることと肌の敏感な方はチクチクすると感じられます。ですから肌の弱い方や敏感な方にはリネン繊維でできたものをおすすめします。リネンはラミーに比べてしなやかでしなやかで綿に近い風合いを持っています。また、独特な黄色が買った亜麻色も美しく、光沢もあります。ただ、製品がラミーより高価になることや繊維が短く生地に「ネップ」や「フシ」と呼ばれるものが、あることは購入前にご理解いただきたいところです。

麻の寝具の種類と特徴

・シーツ
サラッとしていて洗濯してもすぐ乾くことが特徴です。

・敷パッド
自然なひんやり感と肌触りのよさが人気です。

・掛け布団カバー
軽さと布団に入ったときに熱が籠らずひんやりとしているので爽快です。

・枕カバー
寝汗などの匂いが残りにくいことが人気です。

長い時間洗うとシワが寄ってしまうので、洗濯ネットに入れて短時間洗い、できるだけピンと張って干します。(洗濯方法は各製品によって違います。製品表示や洗濯の仕方に従ってください。)
また、ご使用当初は洗濯するとケバが多く出ますので、単独で洗った方が良いようです。このケバが抜けるほどに麻素材は肌触りが良くなります。この風合いも麻独特でお好きな方は長年使用し続ける方もいらっしゃいます。
いかがですか?今年の夏は麻の寝具で過ごしてみませんか?

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